【防災】南海トラフ地震の予測と対応について

南海トラフ地震

南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として概ね100~150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震です。前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震(1944年)及び昭和南海地震(1946年))が発生してから70年以上が経過した現在では、次の南海トラフ地震発生の切迫性が高まってきています。
(※気象庁HPより抜粋)
2024年8月に南海トラフ地震臨時情報が発令されましたが、この有無にかかわらずいつ発生してもおかしくはありません。だからこそお住まいの状況だけでなくご旅行の際にもハザードマップや想定される被害を頭に入れておいてください。

1.予想震度

下の画像は気象庁が発表している南海トラフ地震の予想震度分布です。関東~九州まで広い範囲で揺れることが予想されています。震源やその他地震との連動についてはここでは言及しませんが、詳しくは気象庁HPをご覧ください。
伊豆エリアは被害が大きいとされている地域の中では比較的震度は弱めと想定されています。  

下の画像は静岡県が公表している県内の震度分布です。当館は伊豆半島の真ん中あたり(赤い点)にあり、震度5強~6弱と予想されています。この震度は2024年8月8日におきた宮崎県の震度と同じ程度です。被害状況は内閣府防災情報が公表している「日向灘を震源とする地震に係る被害状況等について」をご覧ください。幸いなことに死者はなく、ライフラインも1週間以内にある程度の復旧をしております。被害が全くないということはありませんが、都市部よりも危険度は低いといえます。

2.津波予想

下の図は伊豆半島における津波予想です。海沿いの入り組んだ海岸線を中心に大きな被害が予想されています。しかし、当館のあるエリアにおいては津波被害は一切ないといえます。山間部にあり、台風も含め水害による被害が少ない地区です。

3.土砂ハザードマップ

下の図はわかりにくいのですが、当館がある周辺の土砂被害のハザードマップです。画像の右下あたりの赤い点が当館のある場所です。これを見ると周辺はいたるところに土砂被害の可能性があることがわかると思います。

4.被害想定

エリア内の想定

上記の予想から、地震による土砂災害が最も可能性が高いと思われます。それにより道路の分断や水道菅や電柱の崩壊が予想されます。また、古い木造建築は崩壊する可能性も高いのでがれきが道路をふさぐことも考えられます。これらはどの場所でも想定されることですが、周辺はメイン道路が1本なので回り道ができません。そのため、撤去が進まない限り移動は困難と言わざるを得ません。
また、都市部や沿岸部と比べると被害の想定は小さいので復旧のための人員は主には大きな被害がある場所に多く配置され、当エリアの作業は周辺の事業者にて行われるでしょう。また、周辺エリアを抜けた後はもっと被害が大きくなることが予想されるエリアを通って帰宅することになります。よって数ある被害想定の中で最も確率が高いのは帰宅が困難となること、でしょう。

旅館内の想定

旅館内において、最も懸念すべきは建物の崩壊ですが予想震度を当てはめるとその可能性は低いかと思われます。ただし、お客様が入れない場所に関しては崩壊の可能性があります。また、ガラスの破損や備品の落下の可能性は否定できません。ただし、寝た状態で頭の上に大きな落下物が無いように配置をしていますので押しつぶされるような事態にはなりません。
被災後、スタッフの指示に従って屋外の駐車場に避難いただきます。館内の安全を確認後お荷物等の処置をいたします。被害の状況により館内を開放するか、もしくは避難所への案内をいたします。

4.最後に

当館や当館周辺だけでなく、南海トラフ地震は本当に広い範囲での被害が想定されています。当館はたまたま山間部にあり、津波被害は全くないのでその他の備えに集中できるのですが、海沿いの地域ではそうはいきません。普段の生活だけでなく、旅行先のハザードマップや避難場所などは必ず知っておいてください。備えあれば憂いなし、安心して旅行を楽しみましょう!