【天城ほたるシリーズ①】天城ほたると住む

湯ヶ島たつたでは、ロビーの一角で天城ほたるの育成をしています。ひょんなことから天城ほたるの育成に従事することになったのですが、ほたるを育てるのはなかなか大変。先輩たちにアドバイスをもらいながらでも難しい部分が多くそんな苦悩と天城ほたるの始まりについて伝えていこうと思います。

偉そうに語れるほどほたる博士ではないのでほたると一緒に遊んだ経験を語りますね(笑)

とにかく、言いたいことは

天城ホタル見に来てね!

ということです(笑)

愛情込めて育てたほたるがキレイに飛ぶところを見てください!ここ数年のうちは6月の上旬頃に多く孵化して淡く美しい光を放ってくれています。その年によりピークの時期は違うのですが一つの目安は「河津桜」でしょうか。桜の開花が早いとほたるの飛び出しも早いのです。春から初夏にかけての気候や気温の変動はあまり大きくないのかもしれないですね。

ほたるの一生

知らない方も多いと思いますが、ほたるは一年かけて成長し、命はその一年だけです。あの美しい光を放つたった一週間の為に残りの一年をかけて成長するんです。まさに命の光と言っても過言ではありません!6月、ほたるはそれぞれが光を放ってオスはメスにアピールします。メスは目に止まったオスのもとへ飛んでいき交尾&産卵が行われます。そう、あの美しい乱舞はメスの気を引くオスの求愛行動なのです!そして7月頃、卵から孵化したばかりのほたるはめちゃめちゃ小さく、シャーペンで点を軽く打ったくらいのサイズです。一頭のほたるは300から500の卵を生むのですが、その点が500個…自然界で見つけようとしても絶対見つけられないです(笑)

それから3月頃まではずっと水の中で生活しています。ほたるの大好物はカワニナという巻き貝です。実はこの幼虫期にしか食事は取らず成虫になってからはほとんど食べずに繁殖活動のみを行うのですよ。

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聞いたことがあると思いますが、一生の大半を水の中で暮らして、尚且、カワニナもドブでは育たないから、「きれいな水でないとほたるは育たない」と言われています。でも、適度に汚れは必要で綺麗すぎてもカワニナが食べるものが無くなってしまうので、ホタルも食べ物が無くなりいなくなってしまうんですよね。つまり、

カワニナがいる場所にホタルも生まれる

ということです。

冬を超え4月から5月、ほたるはいよいよ飛び出す準備に入ります。川から上がり土に潜り、芋虫のような体から脱皮し、おなじみのホタルの形に。外気や湿度に影響され、6月頃に飛び始めるのです。

この一年間の営みを人間の手で再現しようとすると・・・やはり自然の力に圧倒されます。

天城ほたるは自然のホタル?

天城ほたるは自然のホタルと育成したホタルが半々なのですが、もともと天城は至るところにほたるが飛ぶ里でした。わざわざ育成なんかしなくてもほたるは飛んでいました。

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渓流にはもちろん、用水路でもほたるが見れて、わたしの幼少期には村祭りで披露するシャギリの練習の帰り道、用水路にほたるが飛んでいたのを憶えています。今は財産と気付くけど、当時は当たり前の光景すぎて特別にも思わないほど当たり前に。

でも、ある時を境にして、ほたるは減少の一途をたどるのです…。